「支恩さん、お願いしまーす。」
「あ、はい。今行きます!!」
「よし、羅糸にあうまで仕事を頑張ろう。羅糸のために。」
今日は香水の広告撮影だ。
渋谷の209のパネルに貼られるらしい。
この香水。羅糸のと同じやつだ。
思い出す度はやく羅糸に会いくなる。
「支恩くんおつかれー!!今日はいつもに増して良かったね〜。やっぱり羅糸ちゃんのおかげかな?」
「どうでしょうね。ナイショです。」
俺と羅糸が付き合っているということはちょうどお正月に報道がでた。
批判の声が大きくならなくて本当に良かったと思う。
「お疲れ様でしたー!」
よし、もうそろ羅糸も帰ってくる時間だよな。
「マネージャー、帰る前にケーキ屋よって〜」
ケーキを買って帰ろう。
ガチャ。
「ただいま〜」
「支恩!おかえりなさい!」
あまりにも可愛すぎて、キスをした。
「ただいま。会いたかった〜」
顔赤くなってる。かわいい。
「ねえみて。ケーキかってきた。ハッビーバースデー羅糸。」
支恩がケーキを買ってきてくれました。
私が大好きなフルーツタルト!
おかえりのキスは、正直憧れだった。
「ありがとう、支恩!」
「どういたしまして!!今日のご飯なーあに。」
「昨日テレビで美味しそうな焼きそばやってたから作ってみたの!ちょうどさっき出来たところだからはやくたべよ!!」
「そんな焦らなくてもいいのに。じゃあ、食べよっか。」
「「いただきます」」
「美味しい…?」
「うん、めちゃうまい。」
支恩が沢山食べてくれて、とても嬉しかった。
「あ、そうだ、プレゼント。2つあります。ひとつは誕生日で、ふたつめはホワイトデーです。どっちからにする?」
「じゃあ、ホワイトデー!」
「はい。」
「ぬいぐるみ?あ!あのUFOキャッチャーのペアのクマだ!かわいい!ありがとう!」
「はい、ふたつめ。」
えっとこれは…。
「ネックレス!!それにぺアだ!!支恩とお揃いだね!」
「そうだよ。」
支恩に貰ったネックレスには、お花の飾りがついていた。
このお花の名前はヒヤシンスと言うみたい。意味は…『あなたとなら幸せ』
私もだよ。支恩。
「ありがとう!!たいせつに…する…ね…」
あれ、なんか、涙出てきた…。
あ、幸せすぎて泣いてるんだ私。
「どうした!!!どっかぶつけたか?」
「んーん。幸せすぎて。泣けてきたみたい。」
「なーんだ。俺はこれからまだまだ羅糸のこと幸せにしちゃうよ〜。」
「なに?それ(笑)」
デートはできなかったけど、とても幸せな誕生日だった。
季節は4月になり、私は高校2年生になった。
今日は入学式が終わったあと1時から羅糸兄と八重ちゃんの結婚式がある。
はやく八重ちゃんのウエディングドレス姿が見たい。
入学式か…。
あれからもう1年。早いなあ〜
そういえば、あの日支恩に私の必死全力ダッシュを見られたんだよね(笑)
見られてたって気づいた時はすごく恥ずかしかったな〜。
入学式が終わり教室に戻る途中1年生に会った。
なぜ1年とわかったかと言うとローファーの横に着いている花がさくらんぼだったからだ。
ちなみに2年は桜で、3年は星と、1年で変わっていく。
〈あれって羅糸様だよね…本当にお姫様みたい……〉
〈隣は支恩様だよ!やっぱり王子様にしか見えない。〉
〈そのお隣は空様!!あのクールな感じがいいよねえ!〉
〈空様とくっ付いてるのってもしかして麗様じゃない!?噂と違って可愛らしいね!!〉
1年生なのに私たちのことを知ってるみたい。
それに…。
「ねえ、支恩、私たちは様付けされちゃってるよ……」
「多分、今更止めても意味無さそうだぞ。俺たちの周り皆が俺たちを様付けしてる。」
「はあ…。私そんなに様なんてつけられるような器じゃないのに…。」
「そんなに落ち込むな!」
「うん!そうだね!今日は羅来兄の結婚式だし!」
「ねえ、もうこんな時間だよHRなんか出てられない。」
空くんが私に時計を見せてきた。
【11時53分】
式場までは40分かかるから…。
急がなきゃ!
「黒城さん呼ぶね!皆、先生に言ってこよう!」
急げ〜〜〜〜!!!
車に乗って40分…。
式場に着いた。
「間に合ってよかったね!麗ちゃん!」
「羅糸ちゃん!一緒にお姉ちゃん見に行こう!!」
「うん!!」
八重ちゃん絶対に綺麗だろうな…。
ガチャ
「お姉ちゃん!」
「八重ちゃん!」
「すごく綺麗だよ!お姉ちゃん!」
八重ちゃんのウエディングドレス姿はとても綺麗だった。
こんなお嫁さんが貰える羅来兄はとても幸せだと思う。
式で、八重ちゃんがお手紙に、私のことを書いてくれていた。
ずっと可愛がってたわたしが妹になって嬉しい、立派にモデルのお仕事を果たしてて誇らしい…って、それを聞いて泣かないわけがなかった。