トイレを出た廊下に、萌さんが立っていた。

「栞奈ちゃん。大丈夫?帰りが遅いから来てみたんだけど、先輩達がいて中には入れなかったの」

私は何かしゃべったら泣きそうで、ただ黙っていた。

「気にしないでね。あんな人達だから。1人では何もできないくせに、後輩は虐めるの。知らん顔してたらなくなるから」

きっと、萌さんも経験者なんだ。

これが社会って物なのだろうか?
なんだか寂しい。

「どうする?会場に戻る?」

萌さんに聞かれ、私は首を振った。

「じゃあ、みんなには適当に言っておくから。1人で帰れる?」

コクンと頷いた。