新入社員の歓迎会は、職場近くの小さな中華料理店で行われた。
今年の秘書課の新入社員は私を含めて2人。
秘書課の先輩達と、部長や課長も出席して賑やかな会となった。
「ほら、今井さん飲んで」
部長が酔っ払い気味にお酒を注ぐ。
自分の歓迎会である以上断ることもできず、私はグラスを空けていった。
「栞奈ちゃんはいいわね。松田専務イケメンだから」
先輩達が羨ましそう。
確かにイケメンだけどね。
性格に難あり。
その時、
「専務」
部長の声がした。
あっ。
「仕事のきりがついたので、お邪魔しました」
爽やかに挨拶する専務に、どうぞどうぞと先輩や部長が席を用意した。
一方私は、
「今井さん、さあ飲んで」
先輩達がお酒とビールを、秘書課課長がワインを次々に注ぎにくる。
ビール、日本酒、ワイン。
このミックスは危険だ。
それはいくらお酒の経験が少ない私でも分かる。
困ったなあと思いながら断ることもできず、少しずつ飲んでいると、
「課長、うちの秘書に飲ませすぎないでくださいよ」
冗談とも本気ともわからない専務の声。
一瞬、会場が静まりかえった。
「専務がそんなことを言うなんて珍しいですね」
部長の驚いた顔。
近くの先輩達もウンウンと頷いている、
確かに専務のキャラでないし、この微妙な空気も困ってしまう。
なんだか居づらくなった私は、トイレに立った。
今年の秘書課の新入社員は私を含めて2人。
秘書課の先輩達と、部長や課長も出席して賑やかな会となった。
「ほら、今井さん飲んで」
部長が酔っ払い気味にお酒を注ぐ。
自分の歓迎会である以上断ることもできず、私はグラスを空けていった。
「栞奈ちゃんはいいわね。松田専務イケメンだから」
先輩達が羨ましそう。
確かにイケメンだけどね。
性格に難あり。
その時、
「専務」
部長の声がした。
あっ。
「仕事のきりがついたので、お邪魔しました」
爽やかに挨拶する専務に、どうぞどうぞと先輩や部長が席を用意した。
一方私は、
「今井さん、さあ飲んで」
先輩達がお酒とビールを、秘書課課長がワインを次々に注ぎにくる。
ビール、日本酒、ワイン。
このミックスは危険だ。
それはいくらお酒の経験が少ない私でも分かる。
困ったなあと思いながら断ることもできず、少しずつ飲んでいると、
「課長、うちの秘書に飲ませすぎないでくださいよ」
冗談とも本気ともわからない専務の声。
一瞬、会場が静まりかえった。
「専務がそんなことを言うなんて珍しいですね」
部長の驚いた顔。
近くの先輩達もウンウンと頷いている、
確かに専務のキャラでないし、この微妙な空気も困ってしまう。
なんだか居づらくなった私は、トイレに立った。