他の家族はすでに食べ終わっていて、ダイニングで1人黙々と晩御飯を胃に運んでいく。


「ご馳走様、美味しかったよ」

「お腹空いたって言う割には少食よねぇ」


いつもの事なのに「変な子」と言いたげな顔をするお母さん。

少食には小食なりの悩みというものがある。


沢山食べる人はお腹すくのにそれなりの時間を要するけど、少食だと小まめにお腹が空く、だからどうしても間食をしたくなるししてしまう。

沢山食べれるならそうしたいところだ。


「気持ちぃ…」


リビングからお風呂場へ直行し、今日の疲れをお風呂で洗い流し、癒すと自然と口から本音が漏れ出た。

この時間は精神がホッとする。


40分ほどでお風呂から上がると髪先から滴り落ちる水滴をタオルに含ませながら、リビングでソファーでくつろぎながらテレビを鑑賞する姉の隣に腰を下ろした。


私より5つ年上の姉で、我ながら美人だと思う。
勉強だってそこそこできるし、人に言ったことはないけれど自慢の姉だ。


「どーしたの」

「何が?」

「考え事?」


どうしてだろうか。姉は私が何を言わなくても察して自分から声を掛けてくれる。

姉妹だからなのか、それとも人の変化に気づくの力でも持ち合わせているのか…本当不思議でならない。