___終業後、今日も一日頑張った体は鉛のように重く、着替えながら肩をもんでいると。


「林檎ちゃん林檎ちゃん、今日の彼いつもよりカッコよくなかった?」

「え?」

「今日の、彼、いつもよりカッコよくなかった?」

「佐藤さん、聞こえてます」


聞こえなかったから、え?て言ったわけじゃないんだけど…。


「彼の今日の笑顔は一段と輝いていた」


あぁ、一部始終どこかからか見ていたんですね。
まぁ…いつもの事だけど。


私には大体いつもと変わらない感じだったけど、佐藤さんからすればいつもとは別格だったらしく。

熱中する芸能人の話をする如く、黒崎さんのカッコよさを熱弁された。



「特に最高だったのは、振り向いたときに見せたあの笑顔っ…!」



「何あれ!狡い狡すぎる!林檎ちゃんが羨ましい!」と着替え終えてさっさと帰ろうとする私の肩を揺らして引き止めた。



「彼、絶対林檎ちゃんに気がある」

「突然何言ってるんですか」


いや、本当何言ってるんですか。
それより早く帰って全て済ませ、小説の続きが読みたい。