そう…なの…

お腹の子を守るには余りに足らない、私の勇気が…

いつかこの子を殺してしまうんじゃないかって

いつも…いつも、この子を妊娠してから

こわい…怖くてたまらない…

「けれど…なんだか、出来る気がするんです。笑顔を見れば、守ってあげたいなぁってそう思うんです…」

そ…うだった…

愛していて…愛していて…

「うぅぅ…」

彼女は抱きしめる腕の力を強めて、

「助けてくれて、ありがとうございました。苦しかったでしょう…怖かったでしょう…」

背中をさすってくれて、

「命は尊くて愛おしいのだけれど、また、とても脆(もろ)く、儚(はかな)いものだと知ってしまったんですよね…」