「泣かれると嫌になって困るのに、それを超えるくらいの愛おしさで許しちゃうのも、」

大切だった。

あの子以外要らないと思うくらいに、

「命をかけても護りたい、大切な命…」


「守ってあげたかったのに…、あの子以外を愛せる自信がない…」

そっと、何故かハンカチを私の頬に当てる彼女に何故?と首を傾げる。

その時、ほろり…

静かに涙が溢れた。

「ご、ごめんなさい…!泣き止みましたし、これで失礼しま…」

赤ちゃんを旦那さんに預けた彼女は、私を静かに抱きしめる。

「怖いんですよね…本当に親になれるのかって…」

そう…こわくて…痛い、いたい…

「ちゃんとしないと、死んじゃう命…」

「親という名には、余りに重すぎて…」