人見知りしてしまうあたしはそのまま固まってしまいどうすればいいか分からなくなっていた。


「また、お店行きますね!」

あたしがカチカチに固まっていると、男は軽く会釈してバーカウンターを離れた。


緊張した、、。

ライブハウスで知らない人に話しかけられたの初めてだし、店で働いてるの知ってるしびっくりした。



その日はそれから何もなく、ライブをみてそのまま家に帰った。

でも、頭の中にはあの人がいて、
夢の中まで出てきた。

知らない人なのに、夢の中であたしのバイト先に来て“こないだはどうも〜”って言う夢。



「なにそれ!!ナンパじゃん!」

「そ、そう?」



お店で一番仲のいい、寺(てら)ちゃんとシフトが被ったときにその話をした。


あの日から4日くらい経っていた。


「いけめんなの?その人」


寺ちゃんは目の奥をキラキラさせて前のめりに聞いてきた。

「暗かったしあんまり分からないけど、なんか、ふにゃふにゃしてる感じ」

「ふにゃふにゃって、きもいの、、??」

「そうじゃなくて、細身だったし身長も割と高かったしあのコミュ力なら普通にモテると思うし」


へぇー、と首を傾げながら寺ちゃんは納得していなさそう。