13時から21時まで古着屋のアルバイトを終えると、駐車場に舟木の車が止まっていた。


助手席の窓を3回軽く叩き、運転席の舟木と目が合うとそのままドアを開けて車に乗り込んだ。


「お疲れ様、」

「ありがとう、舟木もお疲れ様」

「ありがとう。お腹すいた?なんか食べたいのある?」

「うーん、家系ラーメン食べたい」

「お、いくねぇ」


よし、と、舟木は車のギアをドライブに入れて車を発進させた。

田舎の夜の道はスイスイと車がはしる。


3ヶ月前に東京から帰ってきたあたしには、とても懐かしい感覚だった。





あたしは、東京で派遣社員として働いていた。
その時は、この金髪も黒く染めていた。

黒髪は一番あたしには似合わない髪色で、できれば明るくいたかったけど、派遣先は金髪で行けるようなところではなかった。


「マコちゃん」


あたしは名前を呼ばれて、ん?と返事をした。


「東京、戻りたい?」

「、、なんで」

「帰ってきてちょうど今3ヶ月くらいでしょ?地元に飽きてくる時期かなと思って」

「そんなことないよ。もうずっとここにいるよ」

「そう。」



こころから、そう思っているのに、
そのセリフを吐いた後に、何故か鼻がツンとした。