湯気を上げながらこってりしたラーメンがあたしたちの目の前に届いた。


やっぱり、ラーメンは家系が一番美味しい。


「いただきます!」

「急に目をキラキラさせちゃって」


そりゃ誰だって、大好きな食べ物が目の前に出てくると目をキラキラさせるでしょう。
22時を回りそうなこの時間に、こんな高カロリーなものを食べるなんて。ああ、罪深い。

ラーメンは大好きだけど、すすると服に汁が飛び散ってしまうからいつからかラーメンもうどんもすすらないのが癖になっていた。


「マコちゃんは明日も服屋でバイト?」

「明日は休み。」

「俺も有給使っちゃおうかな。映画見に行きたい」

「先生が急に休んじゃダメでしょ。なんの映画みたいの?」

「こないだ公開した、歴史のやつ」

「ふーん、面白いんだ」

「うん。出てる俳優も結構豪華だよ」



なんの映画なのかさっぱり分からなくて、首を傾げていると、“愛くるしいな”と舟木が笑った。
自分のクラスの子どもたちにもそんな顔で笑ってるんだろうか。
舟木はとっても子供が好きで、今の職業もむいていると思う。
仕事の話をするときはいつも楽しそうだ。

やんちゃな子供がいるとか、昼休みにみんなでサッカーしたとか、とても楽しそうに話してくれる。