「な、何、これ……?」



大きな花束を抱えた健吾が、あたしを愛おしそうに見つめている。


そして周りには、それを見守るみんな。



「健……」


「誕生日おめでとう」
 


健吾に言われたあたしは、驚いて腕時計を見た。
 
針は、0時ジャストを指している。
 

……あたしは、18歳になった。




「2年遅れになっちまったけど」
 

健吾はそう言って花を脇に置くと、ポケットから小さな箱を取り出した。
 


それは、女の子なら誰もが憧れるシーン。


開いた箱の中から

ダイヤの輝く指輪が出てきて……。