そして最後は、健吾だった。


間違うわけがない。

大きくて、少しゴツゴツしていて
あたしを引っ張ってくれた健吾の手。
 

この手に引かれて、あたしは

15歳の青春を駆けぬけたんだ――…。




「わかったよ。これが健吾でしょ?」
 

目を閉じたまま言うと、少し離れたところからシンさんの声が聞こえた。


「莉子ちゃん、自信の程は?」


「もちろん」
 

そう答えて、あたしはゆっくり目を開けた。
 

そして――



「……え?」
 

目の前の光景に、息をのんだ。