「やっぱり健吾の手って、あたしにとって特別なんだ……」



そのつぶやきを、そばで聞いてきたシンさんが

妙な提案をしてきた。



「じゃあさ、莉子ちゃん。
目をつむっていても、健吾の手がどれか当てられる?」


「な、何ですか、それ?」


「俺らの手を順番に握って、どれが健吾の手か当てられたら正解ね」


「はぁ……」
 


何だかよくわかんないけど、周りが「やろう、やろう」なんて盛り上がってしまったので

あたしは仕方なく目をつむった。



「じゃあまず、一人目いくよ~」
 


あたしの手に、誰かの手が触れた。