そしてこの中で、一番遠くに引っ越したアキはというと。


「別に、毎日普通だよ」


そっけなく、そう答えたのみ。

この人の秘密主義は、根っからなのかもしれない。
 

でも、顔色がいいし、表情も以前より穏やかだし。


きっと充実した日々を送っているんだと思う……。




「莉子ちゃんは、最近どう?」


真由ちゃんがあたしに話を振ってきた。



「あたし? あたしは……春から看護学校に通うんだ」


「へぇ~! そうなんだ!」
 

みんながわっと盛り上がる。
 

なんだか照れくさくて、健吾以外には言っていなかったから、この機会に報告できてよかった。



「がんばってね、莉子ちゃん!」


「うん、ありがとう」