本当は、あの男たちが何なのか聞きたいけれど

これ以上健吾を刺激するのが怖くて聞けなかった。
 

胸元にすがるようにして離れないあたしを、健吾はずっと抱きしめてくれていた。

 






あと3日、あと2日……。

あたしは日付ばかりを気にしながら、健吾が学校に復帰する日を待った。
 

携帯を止められているのだからしかたないけれど、声が聞けない生活はすごく辛い。

どうしても会いたくてマンションに行ってみたりもしたけれど、電気は点いていなかった。


「やっと明日、先輩に会えるね。おめでと!」
 

健吾の処分が晴れる前日。真由ちゃんは自分のことのように嬉しそうに言って、あたしに抱きついた。


「うんっ。ありがとう」

「やっぱり月島先輩がいないと学校つまんないよね。
なんか、シンさんもこないだから来てないしさぁ」
 

真由ちゃんの言葉を聞いて、そういえばそうだ、と気づくあたし。

たしかにここ3日ほどシンさんの姿を見ていない。
 

そんなことにも気付かずに過ごしていたなんて、あたしの頭はどれだけ健吾一色なんだろう。