駄菓子屋さんに到着すると、ドラミちゃん似のおばあさんの姿がなかった。


「あの人、しょっちゅう店開けたまま出ていくからな」
 

シンさんは特に気にすることもなく、慣れた様子で奥のドアに手をかける。
 

夏休みの間は来る機会がなかったから、この部屋に入るのは久しぶりだ。


古びたゲーム台、ぼろぼろのソファ、他の人はけっして寄り付かない、健吾たちだけのお城


――のはずだった。
 

だけど開いたドアのむこうの光景に、あたしは息をのんだ。


「こんにちは~、莉子ちゃん」
 

神経を逆なでする、不快な声が響いた。
 

そこにいたのは、昨夜の男たち。

なんで……こんな所までこの人たちが来るの。

昨日の恐怖が数倍になってよみがえり、頭がクラクラする。


張りつめた空気の中、不安げな顔であたしの袖をぎゅっと握る真由ちゃん。

ミツルの表情もこわばっていく。