日当たりのいい窓際の席で、あたしはいつものように、みんなと笑い合っている。


健吾のそばにいるからだろうか。

少しずつ、気持ちが晴れていく。



大丈夫。

昨日のことはきっと悪い夢で

だから現実は、このまま幸せが続くよね……?




「さあ、久しぶりにドラミの顔でも見にいってやるかぁ」
 

ファミレスを出てシンさんが提案すると、健吾はあたしを見て言った。


「俺、単車とってくるから、シンたちと先に行っといてくれ」

「え……っ」
 

一緒に行かないの? 

思わず健吾のシャツを握って不安げな瞳で見上げると、健吾はプッと笑った。


「何だよ、その顔は」

「別に……何でもないけど」


健吾は困ったように眉を下げて微笑み、あたしの頬をつねる。


「5分くらいで行くから、先に行ってろ。な?」

「うん……」
 

おずおずと手を離すと、健吾は学校の方へと歩いて行った。


「莉子ちゃん、先輩と片時も離れたくないんだね~」

と、茶化してくる真由ちゃん。


そんなんじゃないよ、と反論しながらも、実際そうだよなぁと自分でも思った。