29「もう今晩わですね。壊したお体はその後無事ですか?」彼女がつとめて明るく僕に答えた。「もう大丈夫です。それより翌朝、土鳩達が殺戮されてないか心配です」と僕はここに来た意味を告げた。今日も「プレイボーイ」が熱く彼女を口説いただろうから。その意味を察した神主は「一緒に彼女を送りましょう」待っててください。と、にこやかに笑った。それを最後の幸福を見届けるかの様な切ない目差しの彼女は[禁断の恋]をもて余しているのかもと僕に思わせた。身嗜みを整えた僕らに駆け寄ってきた「朴念仁」は男にも女にも受けそうなスポーティーで、かっこよさを僕に見せつけたので、ただ地味でおっさんな僕は、彼女の願いが何時か伝わるといいなと吹っ切る事ができた。