同じ血を分つ者、あぁ、と瞬時に悟り、何事もなかったかのようにキッチンへと動いた。
「そういや、姉ちゃん。もう6時なるけど」
冷蔵庫から牛乳を取り出して、パックごと飲もうとする弟がそう言った。
それが高身長の秘訣か、と感心する間もないまま、身体が勝手に動く。
慌てて洗面所へと向かい、歯磨きをする。
ドタドタ、と小学生みたく階段を勢いよく駆け下り、リビングにひょこっと顔を出す。
私が座っていた場所の隣には弟の姿があり、その奥では未だ痴話喧嘩を広げる両親。
「じゃあねっ、行ってくる!」
リビングに響き渡ったその言葉に、両親の口はピタッと止まり、弟は振り返る。
「「「いってらっしゃい」」」
AM6:00。
そんな家族の見送りを背に、私、
相川ミズキは玄関を出る。