~ガレット王子side~ 気絶する前の王宮にて


「皆の者!何時も通り、巡回に行くぞ!」


「「「「「「ハッ!!」」」」」」


そして、俺は王宮を出た。


「いたた…っ。」


うん…?誰かの声が聞こえたな。


「おい!!今、声が聞こえただろう!何者か、探し出すんだ!」

「「「「「「ハッ!」」」」」」


そうだ。


「おい。魔法で調べろ。」

「はい!」


・・・・・・・――――――。


「 trace 」

兵士が呪文を唱える。


「居場所が特定できました。」


「あの木の幹に誰かいます!」


もう一人の兵士が声をあげる。


俺はその木の幹にいるであろう何者かに問いかける。


「そこにいるのは分かっているのだ!さぁ、出てくるんだな!」


それを聞いた何者かがスッ、と姿を現した。


凄まじい、殺気を放ちながら。


その殺気に兵士も俺も、怯んだ。


だが、一つ気になる事があった。


それは、前にいる奴が着ている服だ。


紺色の見たことない生地にスカート?のような


長いものを着ている。


髪は綺麗な赤。


そして、綺麗な顔立ちをした男だった。


俺はその男に問いかけた。


「そこの貴様!どこの国の者だ!」


「日本だが。」


「ニ、ニ…ホン…?」


「あぁ。」


「そんな国、ある訳ないだろう!」


「は?だから、日本って言ってんだろ!」


「違法侵入者か。名は?」


「聞く前に、先に名乗るのが礼儀だろう。」


なんだと…?この、俺様を知らないだと?!


「何を言っている!この俺、ガレット様が分らんのか!俺様は名乗らんからな!」


「くく…っ。いや、お前…すでに名乗ってるけど。馬鹿なんだな。」


………あ。あ”―――――――!!!!


そうだ…。すでに名乗っているではないか!俺!


なんという失態…。


この俺様の威厳を見せつけるどころか、


墓穴を掘ってしまっているではないか…!


うぁ―――――。


何て考えていたら、一人の兵士が声をあらげる。


「貴様、ガレット王子に何て無礼な口を!………が。」


おぉ!良いぞ!もっと、言ってやれ!!


うん?最後がよく聞こえなかったな。


相手はポカンとした顔をしている。


今の内だ!凹んでいる場合では無い!!


「…?まぁ、良い。おい、皆の者アヤツを捕えるんだ!!」


「「「「「「ハッ!」」」」」」


そして、兵士達は一斉に襲いかかる。


だが…。