俺は影のごとく、相手の後ろに周りこみ
首の辺りを短刀の裏でつく。
「う……っ。」
「な…何だ…!」
バタ…バタバタッと兵士は倒れていく。
瞬殺で終わった。
六人の兵士は倒れ、意識を失っている。
「な…なんだ…この状態は。優秀な兵士たちが…!おい!殺したのか!」
「はぁ??そんな、弱いやつ殺すわけがないだろう。気絶させただけだ。一時間もすれば目が覚めるんじゃないか?」
「弱い…奴だと…?!」
「あぁ。ちなみにお前もな、この兵士たちよりかは上だけど。相手にならない。」
「貴様っ!!」
剣を持ちつつ叫びながら、王子というやつがこちらに向かってきた。
俺は先程と同じく気絶させる部分を叩く。
「怒り任せじゃ、余計ダメになるよ。」
一つ、助言する。
「ク……ッ!」
そいつは、ドサッと倒れ横たわりながらも、
眼だけは俺を捕えていた。
「お…。なかなかだな。まぁ、いいや。というか、此処ってどこだ?そこの王子さん?」
「こ…ここは…ダイモンという…国だ…。」
「そうか。情報、どうも有難う。じゃあ、失礼する。はぁ…此処って何処なんだ?」
俺はあいつらが来た道とは反対に歩き出す。
「ま…待ち…や…が…。」
何かを言いかける前に気を失ったみたいだった。