そして、そんな一大事はもちろん彼らのボスにも報告されるのだった。
家に到着して30分後、ボスが俺たちの前に姿を現す。
「……伶士くん、これ、どこで拾ったの?」
ボス、菩提さんは我が家に到着して早速、その石コロを拝見する。
母さんの使っていないフカフカのジュエリートレイを、忠晴が持ってきてくれて、その上に丁重に乗せられた石コロを値踏みするように、ジロジロと見つめていた。
「そ、それは……近くの野っ原です」
「何でそこに行ったのかな?」
「あ、あの、ランニングに…」
「どうして野っ原の中に入ったのかな」
「そ、それは…」
笑顔で鋭い質問を投げ掛けてくる。
しかし、それが逆に恐かったりして。
隠し事をしている今、それに着いていくのに必死だよ。ボロが出ないように取り繕うのに必死です。
その笑顔、いつとって喰われるかと思うと、恐ろしくて恐ろしくてたまらない。
けど、力の覚醒は本当に内緒。
内緒にしなくてはならない。これだけは。
…そうでないと、この事実はとんでもなく騒ぎになるような気がする。
ただ、それだけ。