「い、いや!機能停止してなきゃとんでもないだろ!た、ただの石コロになってようが『核』は『核』だろ!」

「しかし、カタチそのまんま残ってるなんて、随分レアですネ。初めて見まシタ。伶士クン、これ、どうしたんデスカ?」

「あ、えーと…」



二人の視線が、突き刺さる。



や、やば。どうしよう。なんて言おう。

俺が倒したと事実そのまま打ち明けると、大変なことになるような気がする。

どうやって倒したのか、何で倒せたのか、まさか力が……なんて。

『力を覚醒させてはいけない』と、言われてるんだ。まさか自分の意志で力を覚醒させましたなんて告げたら、全員卒倒するだろう。

これ、絶っ対内緒。内緒内緒。



……なので。



「あ……そこで、拾いました」

「拾ったあぁぁっ?!」



なずなの怒鳴り声が、耳元でキーンと響く。

やはり、そんな一言では納得出来ないようだ。やはりね…。



「魔族の『核』なんて、そこらに落ちてるもんじゃないぞ?!それに、何でおまえはそんな悍ましいモノ拾ってきちゃうんだ!何でもかんでもモノ拾ってくんなって、ガキのとき橘しゃちょーに教わらなかったのか?!……伶士ぃぃっ!」


結果、怒られる。