「コンバンハ。…ひょっとして、事は済んだあとデスカ」

「玲於奈!」

もさ男?……何故、ここに!

とは、口を開くまでもなく。



「豆チャンが『伶士クンに魔族が近付いている』って、教えてくれまして駆け付けたのデスガ。……なずなサンも察知してましたカ」



玲於奈の肩には、あのシマエナガ・豆大福がちょこんと乗っかっている。

こいつ、仲間の番と遊んでないで、ちゃんと仕事していたか。

……って、まさか、一連のやり取りを見られてなかろうか?!

いやいや。確か、この豆大福はあのぽめと同じく聖獣とやらで、言ってることの詳細は俺にしかわからないはず。

なずなも、ヨーテリを介さないと豆大福の戯言の詳細はわからないようだ。

あわわ。魔族一匹倒したこと、バレていませんように。



……だが、俺は詰めが甘い。

ので、指摘されるまでは、全然気にしていなかったことが、ひとつ。



「……おや?伶士クン?それは何デスカ?」



そう言って、玲於奈は俺の方にずいっと身を乗り出してくる。

それ?それって、何デスカ。