…けど、自分の感情も満足に整理出来ないだなんて、そんな自分自身に腹も立つ。

悔しい。悔しさが込み上げてくるよ。


「何でだよ…」



あまりにも悔しくて、振り絞ったように出てきた声は、震えていた。

真っ正面にいる忠晴の顔は、いつの間にか意地クソ悪い表情が消えて、見守るかのように黙って俺の目を見ている。

その、言葉の続きを待つかのように。



「邪魔になるとか、言うなよ…なずなは俺のせいでこうなったんだ…」



…なずなは、俺を護るために、熾烈な戦いに身を投じた。

結果、命を投げ出しそうになり、こんな芋けんぴのような姿になってしまった。

もう…邪魔なんかしない。足手纏いにとなりたくない。

これ以上、傷付けてなるものか。




《『護られる』ということは…自分の無力さをひしひしと痛感させられることになるぞ》




『護られる』ということ。

それは、苦しくて…痛いものだった。



親父の言ってること、わかったよ。

…いや、なずなが俺を庇って毒にやられた件の時点で、本当にもう痛いほどにわかっていたんだ。

じゃあ…。