今すぐ何とかしなくては、と焦燥感に駆られる。

しかし、相手は格上魔族の女郎蜘蛛であって、考え無しに何とかしようものなら、返り討ちだ。

でも、これ以上放置して奴らの思うままにさせてたら、伶士の身体ぶっ壊れるぞ?時間の問題のような気がする。

いったい、どうしたら…!



この上ないジレンマに襲われ、LL教室でただ一人、自分への苛立ちで項垂れる。

カーテンの隙間から見えるグラウンドには、もう人がいない。

部活は終わってしまったようだった。

今、何時だ?

忠晴さん、伶士を車に乗せることが出来たのだろうか。

現在の時間や、そんな事にも頭が回らなかったぐらい、今の私は混乱しているのだろう。



さあ、どうする…?



自分自身に問い掛ける。




私は陰陽師であり、ボディガード。

護衛するべき主が、苦しんでるのを黙って見守るのか?

それとも…。



《相手がなずな、おまえにだからするんだ。他の女には頼まれてもこんなことしない》



…待て。

伶士は、私の護衛すべき対象…。