けど、同情なんかいらないよ!…とは、思わない。
逆に、みんなが私のことを思って協力もしてくれてるから、それは有り難くて。
だったら、なお頑張らねばと思ってしまう。
…これ、本当にワーカホリックというヤツじゃないだろか。
「じゃあ、この件終わったら剣軌に休みいっっぱい貰いなさい!そんで、私が焼肉連れてってあげる!」
「ホント?なら張り切って頑張る」
「ああぁぁ…頑張らなくていいのよ、なずは。無茶しちゃうから。それだけはやめて」
「わかったわかった」
私は、大丈夫。
私は陰陽師、プロだから。
プロである以上、任務を全うしなければならない。
例え、不憫な状況に置かれていても、無茶しようとも。
ーーー翌日。
昨日同様、忠晴さんがナンナナへ伶士を迎えに行くのに同行。
伶士が接触するのを、今度は近くの物陰に隠れて見守る。
使い慣れない【透過】術式を使って。ヨーテリ曰く、バニシングだ。
…本日も、花魁女郎蜘蛛は、伶士の体に張り付いて私の動向を探ってるのかもしれないから、警戒気味に。