「ならいいんだけど?…今のなずの顔、とてもじゃないけどJKには見えなかったわ?まるで三十代の仕事中毒女の顔」
「えっ!」
思わず、自分の顔をペタペタ触ってしまった。
仕事中毒女の顔?…どんな顔?!
三十代って、私まだティーンエイジャーなのに!…傷付くんですけど。
「ダメよ?こんな楽しいお年頃に、そんな難しい顔しちゃ」
「って、どんな顔…」
「同じJK陰陽師でも、ゆずらはだいぶ無責任にやってたわよ?」
「いやいや、あの人と一緒にしちゃダメだよ。ゆずらさんは、実力もメンタルも規格外でしょ。それに、無責任には出来ないよ。総本山の指令もあるし」
すると、幾代さんは「んんんっ…!」と、呻く。
「まあ…状況が状況だから仕方ないんだけどさ?優さんもあんなんだし、リグ・ヴェーダも姿を現して、まさにこの今!なのはわかってるんだけどさぁ…」
「………」
幾代さんの言いたいことは、わかる。
高校生というこんな毎日が楽しいお年頃に、こんな過酷な状況に置かれている私を、不憫に思ってるんだ。
状況が状況なだけに、気楽でいられない私のことを、心配している。