まあ、剣軌たちと合流するまで出番はなさそうだけど…。



しかし、これで完全に繋がった。

花魁女郎蜘蛛は、リグ・ヴェーダが仕掛けた刺客。

…けれど、こんなにも呆気なく伶士が向こうの手に渡るだなんて、誰が考えただろうか。

警護に抜かりはなかったはず。

でも、その僅かな隙を潜り抜けられて、あのヤローにしてやられたと思うと、気が触れそうだ。

だが、あのヤローが放った刺客、花魁女郎蜘蛛はそれほどキレもので強い。この一言に尽きるだろう。



明日、剣軌らと合流したとして、格上相手にどういう手筈で攻め入るのか。

剣軌は考えているだろうけど、ある程度予測して、更に情報を集めなくては。



「…ちょっと、なず?」

「ん?…何?」



気が付くと、幾代さんにジーッと見られている。

半ば呆れた表情をしているのは、気のせいだろうか。…話しかけられていたの、私気付かなかったとか?



「なずは、ちゃんと遊んでる?」

「へ?」

「友達と買い物したり、お茶したり。恋バナしたりしてる?」

「え?…してるけど?」