「リグ・ヴェーダがこれから何を企んでいるのかってこと。最終的な目的は、『事変』の時のように、紫の門をじゃんじゃん開けて魔族を呼び込んで、御馳走である人間をじゃんじゃん食わす。…でも、それを成し得るために、今【夢殿】を狙ってるんでしょ?終いには、白金鬼や花魁女郎蜘蛛まで…このぶんだと、黒曜鬼もどこかに潜んでるわよ」



幾代さんの言いたいことは、わかる。

奴らが最終的な目的を達成するために…その過程である今、何を成そうとしているのか?

伶士を攫って、何をしようとしてるのか?

ここだけは、私らにもわからない。



「【夢殿】の予知夢が見たい?…そんなの、リグ・ヴェーダは【夢渡り】の力を持ってるんだから、そんな誘拐なんてしなくても予知夢を覗くことが出来るじゃない」

「そうなんだ。それに、伶士は継承しているだけで、まだ力を覚醒させていない」

「なら尚更おかしいわねぇ。覚醒してないなら予知夢も見れないし【聖域】の力も使えないじゃない。……あと、誘拐しちゃうぐらい奴らが欲しがる【夢殿】が特別に持っているモノって何?」