それから陽も完全に昇り、行動に出る。
早朝、忠晴さんに迎えに来て貰って車に乗り込み、二人で伶士との待ち合わせ場所である南郷七丁目駅の出入り口へと向かう。
車の中で、忠晴さんと打ち合わせをしておいて、目的地に到着寸前で車を降りる。直ぐ様、所定のコンビニへと走って向かった。
…このコンビニからは、伶士が指定した待ち合わせ場所、地下鉄駅への三番出口が見える。傍には忠晴さんの車も待機している。
私は離れたところから、その様子を観察するという魂胆だ。
間もなく六時半。
すると、標的は姿を見せる。
制服姿の伶士だ。
パッと見て変わりはない。変な妖気、魔力は感じない。
囚われの身であるというのに、これも逆に変なものだ。勘づかれないように、上手にしまっているのか。
伶士が忠晴さんの車に接触した。
運転席にいる忠晴さんがパワーウィンドウを開けて、話をしているようだ。
そして、話すこと数分の後、忠晴さんが運転席から降りてきて、後部座席のドアを開けている。
伶士が…車の後部座席に乗った。
そのまま車は発進。