あぁ…本当だろうか。
ベッドの上で一晩中、いちゃこらしていたのだろうか。
その光景を想像しては、ずーんと落ち込む。
昨晩、あれから試しに伶士にLINEしてみたのだ。
『何してる?明日練習試合だって?』と。
結果、ものの見事に既読スルーだ。
既読はしてんのかよ…。その上、何の返答もないなんて。
伶士の返答がないなんて、こんなことは初めてだ。いつもなら、向こうからうるさいほどマメに連絡してくるくせに。
だから、異変といえば本当に異変なのである。
しかし、カノジョである私のLINEは無視し、別の女と一晩中いちゃこらしてるとは…。
もし、『魅了』などの何らかの術にかけられているとはいえ、これは相当堪えるぞ?グッサリ傷付いてる。
…これがもし、普通の女子なら浮気だ浮気だ騒いで泣き喚いて、男を責めまくってるんだろな。
ケンカだケンカ。
けど、私の場合はそういうわけにはいかない。状況が状況であることを理解しているし、護衛という立場がある。
《おんなのこなのに、しょうきのさたじゃないよ!》
…正気の沙汰じゃないな、本当。