もふもふした白い虎と白肌マッチョの白同士の揉み合いに、少年神様はあたかも観客のように普通に手を叩いて笑っている。
両腕跳ねといて、よくそんなに笑っていられるな。
「いやー。豹牙が強すぎて、高位魔族が高位魔族に見えない」
「豹牙?」
「カレ」
美奈人が指差すのは、斬首斬腕しておいてケタケタと笑っている、まるで悪魔のような少年神様だった。
神様、普通に名前あるんだ…。
一方、黒い翼の彼と加勢に現れた真凛は、奥で押して押されての攻防を繰り広げている。
真凛があの黄金の鞭を振り翳したり、時には飛び道具も出したり、それを彼が回避し続けているよう。
真凛が一方的に攻めているように見えるのだが。
と、思ったその時。
真凛の二つの黄金の鞭が、彼の身体と翼を一気に捕らえた。
逃れる隙間も無く完全に捕らえたようで、鞭をグイッと締め上げる真凛。
「…このまま、一気に『相殺』行くよ!」
「へぇ?…出来るの?」
捕らえられたからといって、逃れようともがく様子もない。
だが、その不気味な笑みを真凛の一言が打ち崩す。