「高位魔族だから、移動タイプ?…まあ、そういうことなら、塵一つ残らず消してしまうがね?」
クックッ…と、悪そうに笑う神様。もはや神様というよか悪者だ。
だが、笑いながらもまたあの高速移動で、姿は消える。
すると、白肌マッチョの両前腕が血飛沫をあげて一気に吹っ飛んだ。
今度は、腕を斬った…!
と、思ったらさっきの如く、切り口の断面がボコボコと波打っている。
また、手が生えてくる…!
「…【猛虎咆哮拳】!」
そこを見逃さず、少年神様は剣を突き翳す。
重低音のような獣の咆哮と共に、どこからともなく飛び出して現れたのは、白くキラキラと輝く毛を纏った獣…虎?!
大きく吠える白い虎は、両腕再生中の白肌マッチョにまっしぐらに飛び込んでいく。
ドン!と衝撃波を与えた後、白肌マッチョの体にべったりとしがみ付き、再生真っ最中の手を狙って牙を向ける。獰猛な動きで口を開け、何度も噛み付こうとしていた。
「…このっ!」
狙われた腕を振り解くが、また牙を向けるという、白肌マッチョと、もふもふ度の高い毛を靡かせた白い虎の攻防が繰り広げられていたのだった。
「わはは!ぽめ、いいぞ!」