…と、白肌マッチョが吠えている間に、目にも止まらないスピードで、彼の姿は消える。

気付いたら、彼は白肌の背後にいた。

その大剣には、血飛沫が付着している。



「ひっ…!」



その結末に、思わず声をあげてしまった。

白肌の首から上が、おぞましい表情をした顔がごろんと床に落ちる。

これ、斬った…首を跳ねてしまった!

斬首だ!



「最近の魔族もよう喋るよな。ぶははは」



さすが神様。疾風の如く、侍のように一刀両断してしまった。

…だが、これで終わりではない。



「…ああっ!」



その有り様を一緒に見ていた咲哉さんが大声をあげる。

無理もない。あり得ないことが目の前で起きているのだから。



斬った断面が、ムクムクと膨れ上がる。まるで、ホラー映画のようにボコボコッと、皮膚が泡状に!

そして、膨れて膨れ上がって…再び、白肌マッチョのあの顔が登場した。

生えてきた…首、生えてきた!



「うーん。やっぱり【核】は頭じゃないのかぁ」



首を斬った張本人は、想定の範囲内だったのか、呑気に首を傾げていた。