その日はあっという間にやってきた。
あたしはクローゼットを開いて動きやすいジーパンとTシャツに着替えた。
ちょっとラフすぎるかと思ったけれど、広い遊園地を歩きまわるのだからとこれにした。
「あら琴江、今日はお出かけ?」
玄関まで出た時、お母さんが声をかけてきた。
「うん。泉と勇人と遊園地」
そう言うとお母さんの目が輝いた。
普段、休日にはほとんど家から出ないから喜んでいるのだろう。
「あらそう! お金はある? 入場料結構かかるんじゃないの?」
そう言いながら慌ただしくリビングへ戻り、黄色い財布を持って戻ってきた。
あまり外出をしないあたしは普段からお小遣いをそんなに必要としない。
今までずっとそうだったから、いくらかたまっていた。
そう伝えてもお母さんはあたしの手に一万円札を一枚握りしめさせてきた。
「こんなの、いいのに」
「いいのいいの。楽しんでいらっしゃいよ」
お母さんの目は真剣だ。
あたしはなんだかくすぐったく感じて素直に頷き、お金を大切に財布に入れた。
高校生にもなってこんなに親から心配されるなんて、ダメだなぁあたし。
あたしはクローゼットを開いて動きやすいジーパンとTシャツに着替えた。
ちょっとラフすぎるかと思ったけれど、広い遊園地を歩きまわるのだからとこれにした。
「あら琴江、今日はお出かけ?」
玄関まで出た時、お母さんが声をかけてきた。
「うん。泉と勇人と遊園地」
そう言うとお母さんの目が輝いた。
普段、休日にはほとんど家から出ないから喜んでいるのだろう。
「あらそう! お金はある? 入場料結構かかるんじゃないの?」
そう言いながら慌ただしくリビングへ戻り、黄色い財布を持って戻ってきた。
あまり外出をしないあたしは普段からお小遣いをそんなに必要としない。
今までずっとそうだったから、いくらかたまっていた。
そう伝えてもお母さんはあたしの手に一万円札を一枚握りしめさせてきた。
「こんなの、いいのに」
「いいのいいの。楽しんでいらっしゃいよ」
お母さんの目は真剣だ。
あたしはなんだかくすぐったく感じて素直に頷き、お金を大切に財布に入れた。
高校生にもなってこんなに親から心配されるなんて、ダメだなぁあたし。