嫌な出来事があった翌日は土曜日で、そのまま学校は休みになった。
無理に家から出なくてもいい日はとても気楽で、あたしはダラダラと時間を潰して過ごした。
そんなあたしを見て両親は買い物に誘い、少しだけ一緒に出かけたりもした。
車に乗っている間は余計な不安や心配ごとがないから、あたしは安心して後部座席に乗っていることができる。
それでも万が一。
あまり見たくないものを見てしまう可能性は残っている。
だからあたしは目を閉じる。
電車で通勤途中のサラリーマンみたいに、後部座席にドンと座り、腕組みをして、目を閉じる。
目を閉じた先にあるのは自分しかいない世界だ。
真っ暗だけど恐怖はない。
時々両親の声が聞こえてきて、それに反応するくらい。
あたしの体は暗闇の中でフワフワと浮かんでいるような感覚になる。
まるで胎児に戻ったみたい。
「ふふっ」
あまりの心地よさに、思わず笑う。
「どうしたの?」
助手席のお母さんにそう声をかけられても「なんでもない」と、返事をしたのだった。
無理に家から出なくてもいい日はとても気楽で、あたしはダラダラと時間を潰して過ごした。
そんなあたしを見て両親は買い物に誘い、少しだけ一緒に出かけたりもした。
車に乗っている間は余計な不安や心配ごとがないから、あたしは安心して後部座席に乗っていることができる。
それでも万が一。
あまり見たくないものを見てしまう可能性は残っている。
だからあたしは目を閉じる。
電車で通勤途中のサラリーマンみたいに、後部座席にドンと座り、腕組みをして、目を閉じる。
目を閉じた先にあるのは自分しかいない世界だ。
真っ暗だけど恐怖はない。
時々両親の声が聞こえてきて、それに反応するくらい。
あたしの体は暗闇の中でフワフワと浮かんでいるような感覚になる。
まるで胎児に戻ったみたい。
「ふふっ」
あまりの心地よさに、思わず笑う。
「どうしたの?」
助手席のお母さんにそう声をかけられても「なんでもない」と、返事をしたのだった。