松本くんが髪を切ってから一週間が過ぎていた。
女子たちの興味はすぐ別のところへ移るだろうと思っていたけれど、今だに松本くんの周囲には女子たちが群がっている。
「ちょっと琴江、あれほっといていいの?」
泉が視線を松本くんの席へ向けて聞いてきた。
「いいわけないじゃん……」
せっかく自分の気持ちに素直になって、幸せをつかもうと思ったのに。
これじゃライバルが多すぎてどうにもならない。
中には学年1の美人までも混ざっているのだから勝ち目なんてない。
「でもさ、松本くんってまだ誰にも連絡先を教えてないらしいよ?」
泉の言葉にあたしは「えっ!?」と、目を見開いた。
あれだけ人気になったんだから、もうとっくに何人かと連絡交換をしていると思っていた。
「聞いても教えてくれないって、噂で聞いた」
「そうなんだ……」
それを聞いて少しだけ自信が戻ってきた。
あたしはすでに松本くんとメッセージ交換をしている。
昨日だって、どうでもいいような内容だけれど、必死に絞り出してメッセージを送った。
その度に松本くんは律儀に返事をくれている。
ブロックされていないからまだ嫌われていないはずだと、自分に言い聞かせていたところだったのだ。
「大丈夫だよ琴江。今まで通り頑張って!」
泉に励まされてあたしは大きく頷いたのだった。
女子たちの興味はすぐ別のところへ移るだろうと思っていたけれど、今だに松本くんの周囲には女子たちが群がっている。
「ちょっと琴江、あれほっといていいの?」
泉が視線を松本くんの席へ向けて聞いてきた。
「いいわけないじゃん……」
せっかく自分の気持ちに素直になって、幸せをつかもうと思ったのに。
これじゃライバルが多すぎてどうにもならない。
中には学年1の美人までも混ざっているのだから勝ち目なんてない。
「でもさ、松本くんってまだ誰にも連絡先を教えてないらしいよ?」
泉の言葉にあたしは「えっ!?」と、目を見開いた。
あれだけ人気になったんだから、もうとっくに何人かと連絡交換をしていると思っていた。
「聞いても教えてくれないって、噂で聞いた」
「そうなんだ……」
それを聞いて少しだけ自信が戻ってきた。
あたしはすでに松本くんとメッセージ交換をしている。
昨日だって、どうでもいいような内容だけれど、必死に絞り出してメッセージを送った。
その度に松本くんは律儀に返事をくれている。
ブロックされていないからまだ嫌われていないはずだと、自分に言い聞かせていたところだったのだ。
「大丈夫だよ琴江。今まで通り頑張って!」
泉に励まされてあたしは大きく頷いたのだった。