「もう少ししたらいきんでいいからね」


助産師さんのその言葉に、最後の刺激だと痛みに耐える。


子宮口が全開になる頃には相当陣痛が痛いと思ったのに……相当痛い陣痛よりも刺激の方がまだ痛いなんて。


本当に本なんて当てにならない。


「よし、子宮口10センチ」


その言葉で周りがいっせいに動く。


分娩台に足をかけ、手元には取り外されていたグリップが用意され


お尻の下にはシートが引かれる。


痛みの中で一つ疑問に思うこと。


普通……浣腸するんじゃなかったっけ??


けれど、その処置は無いままに仰向けの体勢でお産の準備は着々と進んでいく。