隣の処置を終えた先生が少しだけ様子を見てくれる。


「今日中には産まれるからね」


その言葉を聞いて時計を探す。


時間は……午前5時。


あの、今日中って……まだ19時間もあるんですけど。


とは言えず、この痛みがもし夜まで続くんだとしたら……そう考えるとぞっとした。


早く終わってほしいような、もうこれ以上痛くなってほしくないような。


二つの思いでぐちゃぐちゃになりながら、更に変化の無いまま1時間が過ぎる。


「そろそろまた機械つけようか」


機械をつける=また仰向けにならなくてはいけない。


仰向けでこの痛みに耐えるのは相当辛いというのにまた


「内診もさせてね」


とビニール手袋を手にする助産師さん。


「じゃあ今のうちに一度犬のご飯やって、朝ごはんも食べて来るから」


リュウジも内診のタイミングで去って行き、分娩台の上で足を開く。