手にしていた携帯でリュウジへと


「隣の人、生まれたみたいだよ」


そうメールを送信すると


「産声が聞こえた」


そんな返事が返ってくる。


しばらくして新生児ちゃんは運ばれて行き……静かな時間が戻ってくる。


そこでようやくリュウジとの対面。


もの凄く長い時間離れていたような……そんな気持ち。


水分を持ってきてもらい、空いた時間に飲みつつ陣痛をやり過ごす。


痛みは一度強くなったものの、そこからまた同じ波の繰り返しで……段々陽が昇りだして。


隣の人の声は聞こえなかったけれど、助産師さんらしき人の声は響いていた。


「深呼吸して!!」


「息止めないよ!!」


そんな言葉と妊婦本に書いてあったお産の流れを思い出す。