6分間隔でこんなに痛いんだったら一体最終的にはどうなってしまうんだろう?
出産ってこんなに大変なんだ……と隣の部屋に行ってしまった看護師さん達を見送り一人噛み締めていると……
目の前を横切る見覚えのある顔。
先生だ。
って事は……隣はとうとう生まれるんだ。
私は必死に声を殺していると言うのに、驚くぐらい静かな隣の部屋。
病院に来てからおよそ1時間半のAM4:44。
看護師さんが抱いてきたのは生まれたばかりの小さな小さな赤ちゃんだった。
運ばれた手術室には生まれた子の体温を保つ為のウォーマーという機械があって
1メートルぐらい隣で寝かされ、羊水を吸引され、体のあちこちを測られている姿をぼんやり見ていた。
まだ自分も少し後にそうなるなんて思えずに……
懸命に小さな手足を動かす姿に少しだけ陣痛の痛みが紛れる。