LDR室が空いていない……という事で、葵に与えられたのは手術室の分娩台。


出産ラッシュで泊まる部屋の空きも無い為、部屋で陣痛を待つことも出来ず、突然分娩代の上に!!


まずは用意されていた手術着に着替え、内診。


深夜の為先生はおらず、看護師さんが二人隣のLDRとこの手術室を忙しそうに行ったり来たり。


「破水の量ってどのくらいかな?」


本当に破水なのかどうかを確かめる看護師さん。


そう聞かれても……うまく説明出来なくて。


子宮口は3センチ開いているらしい。


それと共にNSTの機械もつけられる。


自分の腰よりも高い位置にある分娩台に仰向けになり、部屋に響くのはチビさんの心拍。


そして、お腹にやって来た痛み。


お腹がなんだか重たい感じ。


破水から自然に陣痛へと繫がったんだと、自分でもすぐに分かるくらい、その痛みは経験のないものだった。