「なーに、俺のこと見つめちゃって。
もしかして好きになっちゃった……?」
「なっ……そんなわけ、ないからっ!!」
「あっそう、ザンネーン。
君の彼氏よりいい男である自信はあるけど……」
「彼の……奏子はあなたなんかより、もっともっとカッコいいんだから……!!」
大声を出すなんて、らしくない。
うるさい、ガヤガヤした連中なんか嫌いなの。
"ああいう"人達は、地味で友達がいないってだけで……すぐ人をいじめたりするから。
だから嫌い……だった。
だけど私の……私の彼、奏子だけは違った。
キラキラしてて、いつも笑ってて。
絶対に私みたいなのとは交わることのない、遠い存在だと思っていたのに。
『天音のことは、俺が守るから、絶対。
ていうか守りたいって自分から思える存在……お前が初めてなんだよ』
奏子がそう言ってくれたから、私……わたし。