「ははーん、雪にまで認められたか~天音ちゃん」


「へっ?」


「いや、うちの総長をどうぞよろしくって、伝えたかっただけ。
 そんじゃーね」


手を振って、呆気なく帰っていくふたり。


そんなふたりの後ろ姿が見えなくなるまで見つめていると。



「ちょっと他の男の背中、見すぎなんじゃない?」


桜木と付き合って分かったことがある。


意外と、嫉妬深いってこと。



「ふふっ、愛されてるね~総長さん」


いつもやられっぱなしだから、仕返しに軽くからかってみる。


すると桜木は、黙らせるように軽いキスをしてきた。



「……っ、ここ外なんだけど」


「桔梗って呼んで」


「な、なにいきなり」


「早く」