思い出話をした。
桜木とお兄ちゃんの出会いや。
私と桜木の出会い。
忘れないように、しっかりと。
「そんなこともあったね」って笑うけど。
私と桜木の出会い方に、やっぱりお兄ちゃんは納得してないみたいで。
病人なのに、騒いでいた。
数分後。
お兄ちゃんは体力の限界なのか、瞼を閉じようとするけど。
重い瞼を閉じる前に、お兄ちゃんはうっすらと開いた目で。
「……桔梗、天音のことよろしくな」
暖かい言葉を残して、眠りに落ちた。
胸が痛くなる。
こんなにも幸せを感じられる日が来るなんて。
当然の様に
「そんなの、当たり前ですよ。大地さん」と応える桜木を見て。
自分でもわけが分からなくなっちゃうほど、胸の奥が満たされていくのを感じた。