(しかし、私はそんなにわかりやすいのでしょうか……?)

 ううむと考えつつ、エリアスはグレダの酒場に到着する。

 たしかに以前より気持ちに余裕は生まれた気もするが、仕事において基本的にスタンスは変えていない。それなのに「丸くなった」だの「柔らかくなった」だの、ここまで言われるものだろうか。

 不思議に思いつつ、エリアスはからんと鐘の音を響かせ扉を開けた。

「いらっしゃいま……っ」

「こんばんは! 天使で女神なマイスウィートハニーのフィアナさんっ」

 にこっと笑みを浮かべ、ひらひらと手を振る。するとフィアナは一瞬ぴくんと固まったあと、ガードするように丸盆を構えながらエリアスのお気に入りの席を指し示した。