「……なんで」

「はい??」

「なんで、隠れたりなんかっ」

 涙目で睨んだフィアナに、エリアスはぴたりと動きを止めた。

「私が一緒にいれば大丈夫。そんなこと言っていたくせに、どうして、こんな……っ」

 エリアスの顔が、みるみる赤くなっていく。彼は困ったように横を向くと、所在なさげに顔の下半分を右手で覆った。

「……すみません。つい、貴女と二人きりの時間を邪魔されたくなくて。ですが、あの」

 どう釈明すべきか、迷うようにエリアスは細い眉根を寄せる。やがて彼は、観念したように頭を深々と下げた。