小春が目を覚ますと辺りは薄明かるく、ぼんやりとしたまま体を起こした。

「……あれ？どこ？」

見慣れない部屋に見慣れない毛布。
キョロキョロと見回しても誰もいない。

「ちょっと待って。一回落ち着こう。えーっと、昨日政宗くんと食事をして、それからどうしたっけ？」

考えてみるもさっぱり記憶がなく、サーっと青ざめる。

「ていうか、ここどこ？」

ベッドから抜け出しそっと扉を開けるとそこはリビングで、シンプルでスタイリッシュな空間が広がっていた。その一角のソファーに人の気配を感じ、小春はそろりと近づく。

『……まっ、まさむねくんっ！』

声にならない声を上げて、小春は自分の口元を覆った。
そのソファーでは、まさかの政宗が寝ていたのだ。

(……てことは政宗くんの家ってこと？！え、何で？！ちょっと待って。え、何で？！)

訳もなくキョロキョロと辺りを見回してしまう。テレビとテーブルとソファーが置かれたシンプルなリビングにカウンターキッチンが併設されていて、一人暮らしにしてはずいぶん贅沢な造りのようだ。