美味しい料理に舌鼓をうちながら、目の前には大好きな政宗が柔らかく微笑む。終始楽しく幸せで、小春はずっとふわふわといい気持ちだった。

夢のような時間はあっという間に過ぎてしまう。

外に出ると冷えた空気が身に染みたが、星がキラキラと瞬く澄んだ空だった。

「食前酒だけでそんなに酔うなんて弱すぎだよ」

「酔ってないもーん。えへへー」

「酔っぱらってるよ」

政宗の冷静なツッコミにも小春はニコニコとしながらご機嫌な様子で、政宗は苦笑する。
食前酒以外お酒は飲まなかったのに、小春の頬はピンクに染まり、完全に酔っていることがわかる。この先小春にはあまりお酒を勧めない方がいいなと、政宗は夜道を歩きながらぼんやりと思った。

と、突然小春が体当たりしてきて、政宗はバランスを崩しながらも小春を受け止める。

「うわっ。ちょ、小春!」

驚いて肩をつかむも、小春はそのまま政宗の胸に顔を埋めてぎゅうっと抱きしめた。その手は完全に政宗の背中へと回っている。